王たる資格:Titulus Regius |
リチャード3世が王位につく資格を述べる文書.1483年6月,リチャードの王位就任を求めてグロスター公リチャードに提出され,リチャードが広く流布させた.リチャード自身が作成させたものと思われる.エドワード4世の事前結婚のため少年王エドワード5世に王位継承の資格がない,ウォリック伯エドワードは父クラレンスの反逆罪・私権剥奪により欠格,したがってリチャードが正統な王位継承者であるなどとする内容になっている.1484年1月に開会された議会で法典に取り入れられた. リチャード3世を倒したヘンリー7世はその法典を写しも含めて破棄させた.以後,テューダー朝史観によりリチャード3世を正当化するこの法典は忘れられていたが,Sir George Buckがクロイランド修道院で書かれた当時の文書でこの法典の内容を突き止め,その後,破棄を免れた法典がロンドン塔で発見された(Daviot, Dickon p.101-102). |
高貴なる殿下〔グロスター公リチャード〕におかれましては,このイングランド王国の我ら聖俗貴顕および庶民の考察,選択および請願をご理解いただき,我が国の共通にして公共の福利のために,また我が国の全人民の安逸および歓びのために,これに快く同意を下したまわんことを. |