ヘンリー７世のライバルたち：ヨーク朝の王位継承者

●エリザベス（1466-1503）
ヘンリー７世妃となり，のちのヘンリー８世を生む．

●メアリー（1467-1482）
夭折

●セシリー（1469-1507）
ヘンリー７世即位後に王母マーガレット・ボーフォートの異父弟ジョン・ウェルズと結婚．夫の死後，王の許可なく再婚し，王の逆鱗に触れる．２人の子を生んだがともに夭折．

●エドワード５世（1470-?1483）
ロンドン塔で弟ヨーク公リチャードとともに失踪．

●マーガレット（1472-1472）
夭折

●ヨーク公リチャード（1473-?1483）
ロンドン塔で兄エドワードとともに失踪．
（1491年から1497年にかけてパーキン・ウォーベックがヨーク公リチャードを僭称）

●アン（1475-1511）
サリー伯トマス・ハワード（のちノーフォーク公）と結婚．子はみな夭折．

●ジョージ（1477-1479）
夭折

●キャサリン（1479-1527）
ウイリアム・コートニーと結婚．長男ヘンリー・コートニー（エクセター侯）（c.1496-1539）は息子エドワード・コートニー（デヴォン伯）（c.1527-1556）をなした．次男エドワードは夭折．長女マーガレットの夫ヘンリー・サマセットは８人の子があるが，マーガレットの子か後妻の子かは不詳という．
エクセター侯ヘンリー・コートニーはヘンリー８世によって処刑される．

●ブリジット（1480-1517）
尼僧に．

●マーガレット（1473-1541）
王母マーガレット・ボーフォートの異父（異母？）姉妹の子リチャード・ポールと結婚．1541年にヘンリー８世によって処刑される．
長男ヘンリー（c.1492-1539）はヘンリー８世によって処刑される．次男はカンタベリー大主教になったレジナルド・ポール（c.1500-1558）．

●ウォリック伯エドワード（1475-1499）
ヘンリー７世によってロンドン塔に投獄される．パーキン・ウォーベックの乱を機に1499年に処刑．
（1487年にはランバート・シムネルがウォリック伯エドワードを名乗って反乱．）

２番目の夫との子アン・セリンジャー（1476-1526）の子トマス・マナーズ（ラトランド伯）（1492-1543）(Wikipedia)．
追記：2005年になってアン・オブ・ヨークの女系の子孫が現存していることが判明した．二十代のころにカナダに移住したジョイという女性で，ジョイは2008年に亡くなったが，ロンドンに移住した男子一人と，カナダにいる男子一人，女子一人がいるという．さらに2012年になってリチャード三世のものかもしれない遺体がレスターで発見され，ロンドンにいる男子マイケル・イブセン（Micahel Ibsen, 55）氏がDNAサンプルの提供に同意したという．なお，ミトコンドリアDNAは女子のみを通じて１００％遺伝するので系統調査に威力を発揮するが，カナダにいる女子には子がないといい，アン・オブ・ヨークのミトコンドリアDNAは５００年目にして絶える見込みだという．
参考文献：
The Guardian, 12 September 2012
The Times in association with the Yomiuri Shimbun, 16 September 2012

●リンカン伯ジョン・ドラポール（c.1464-1487）
リチャード３世が後継者と目した人物．ランバート・シムネルの乱に加わって処刑．

●サフォーク公[伯]エドマンド・ドラポール（c.1472-1513）
（ちなみに，父方の祖母アリス・チョーサーの父トマス・チョーサーの父がかのジェフリー・チョーサー）
兄の反乱後，サフォーク公位の継承は認められたもののその後伯爵に降格．1501年に大陸で反乱を画策．1506年に殺さない約束でブルゴーニュからヘンリー７世に引き渡される．ヘンリー８世時代になって1513年に処刑．

●ウイリアム・ドラポール（1478-1539）
兄エドマンドの反乱画策のころ逮捕され，ロンドン塔幽閉のまま死去．

●リチャード・ドラポール（1480-1525）
1512年の英仏開戦後，一時フランスの支援を受ける．フランソワ１世のイタリア戦役に従って戦死．

ブルゴーニュ公妃として，テューダー朝に異を唱える者を支援し続ける．子はなし．