『ロンドン・ガゼット』でたどる名誉革命


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見どころ:ジェームズ二世が国民懐柔策として大赦を発表している.大赦の除外内容が延々と述べられたあと,個人的に名を挙げて除外している部分があるが,反カトリックの煽動者タイタス・オーツと並び,オレンジ公のもとに参加しているギルバート・バーネットの名も見られる.

2387号

ロンドン・ガゼット


政府当局により発行

1688年10月1日月曜日‐10月4日木曜日

国王陛下のいとも慈悲深き
大赦


ジェームズ二世―神の恩寵によりイングランド,スコットランド,フランス,アイルランドの国王,信仰の擁護者等―より,本状を手にするすべての者にご挨拶申し上げる.余の民すべてが余の統治のもと安逸のうちに,平和と幸福を完全に享受しつつ暮らすことは,余が王位について以来,常に余の切なる望みであり続けてきた.そして罪人に対しても,懲罰よりも慈悲の手をさしのべることによって更生させることは,何にも増して余の意向に添うものである.余の公然たる敵も悔悟ののち余の恩顧を見出してきた.そして数多くの者に与えられてきた余の個別の恩赦のほかに,余の民すべてに対する大赦の国王布告を発してからそれほどたってはいないのであるが,最も平和裡に暮らしている者たちでさえもしばしば余の法のいくつかの範囲に抵触し,余の教会上あるいは世俗上の裁判所での訴追においてその身体もしくは財産に難の及ぶ恐れがある(もし余が厳密に対応すれば)ため,余は余の民に対する格別の恩寵と配慮により(その見返りとしてふさわしい忠義と服従を期待するものである),余はここにこの余の恩寵による大赦を認め,発表し,宣言する.そして余は,余ならびに余の世継ぎと継承者の名において,この余のイングランドの本領,ウエールズの属領,ベリック・アポン・ツイードの町における余のすべての臣民,その跡継ぎ,遺言執行者,管財人のおのおのについて(以下に除外される人物を除いて),そして余の前記本領もしくは属領におけるありとあらゆる法人もしくはC******,そしてその****と継承者のおのおのは,余,余の世継ぎと継承者に反していたとしても,ありとあらゆる反逆罪,重罪,反逆もしくは重罪の不正,反逆的もしくは煽動的な言辞あるいは文書誹毀罪,煽動的にして不法な会合や秘密集会,懲罰や教皇尊信罪の罰則がかかっている罪状,あらゆる反乱,不穏集会,法律違反,侮辱罪,侵入罪,軽犯罪,そして教会に来ないことに対するあらゆる審判と*******について,そしてまたそれによる失権や懲罰について,またそのいずれかでこれまでに有され,犯され,なされたことについて,以下に除外される者を除いて無罪とし,解放し,放免する.そして,余の前記臣民たち,またそのいかなる者も,そして跡継ぎ,遺言執行者,管財人あるいはそれらいずれかの継承者も,** *いかなる事柄,原因,侮辱罪,軽犯罪,失権,法律違反,あるいはこれまで余や余の王冠,威厳,大権,法や制定法に反してなされ,もしくは犯された,または見過ごされた他のいかなることについても,訴えられたり,悩まされたり,あるいはその身体,財産,動産,土地,保有財産について乱されたりすることがなくなることが余の意思であり喜びである.ただし,以下に除外される者は除く.そして一般的な語,節,文により右に記録されたこの余の大赦の認可は,余のあらゆる種類の法廷その他において,以下に除外されていることを除くすべての事柄について,ここに赦免を受ける余のすべての臣民に対して最も益となるよう最も寛大な形で評され,みなされ,判断され,説かれ,斟酌されるものとし,それはあたかもここの人物と犯罪がここに十分かつ完全に明示されているかのごとくに行なわれるものとする.この余の大赦から除外されるものとして,まず海外もしくはこの余の本領以外の場所において犯され,あるいはなされたあらゆる反逆.同様に除外されるものとして以下の事項がある.国璽,王璽,親署,玉璽,あるいはこの余の本領において流通している余の貨幣を捏造・偽造したり,あるいはいかなる方法であれ前記貨幣を不法に減量させたりする行為に関わるあらゆる犯罪,また前記犯罪あるいはそのいずれかを教唆し,幇助し,援助し,保護する行為.そしてまたあらゆる謀殺,軽反逆罪,意識的な毒盛りおよびそれらに付随するあらゆる犯罪,あるいはそれらいずれかの犯される以前の計画.そしてまたあらゆる海賊行為および海上にて犯される強奪行為,公道における強奪行為,家屋侵入および前記犯罪もしくはそのいずれかに付随するあらゆる犯罪.そしてまた同様に除外されるものとして,おぞましく忌むべき悪である男色もしくは獣姦という形の異常性愛.あらゆる強姦および女性に対する肉体的な陵辱,女中や未亡人,娘を,本人の意思に反して,またはその両親もしくはその時点で彼女の保護者である人物の同意や承認なくして強奪し,連れ去り,結婚することならびに前記犯罪もしくはそのいずれかを幇助し,援助し,教唆し,実現させようとするあらゆる犯罪.そしてまた除外されるものとして,偽証,証人の買収,*****,なんらかの証書,遺言書,審問,

鑑定の捺印証書,その他の文書を模造・偽造し,あるいはそれを公表すること,なんらかの人物もしくは人物たちを生命の危険にさらすような証人もしくは証人たちの調書や証言を模造・偽造すること,そして前記犯罪を実現させる,もしくは推奨するあらゆる行為.そしてまた公道,橋,公的不法妨害,州の監獄の修復,そして千六百七十九年以来設定され,復帰されたすべての罰金および係争に関するすべての起訴およびすべての訴訟手続きも除外する.そしてまた,なんらかの物品,金銭,動産,宝石,甲冑,弾薬,蓄え,海軍補給物資,船舶,大砲その他余もしくは余の亡き兄に属する軍需品を持ち去り,着服し,盗み取った犯罪も除外する.そして去る一年間の間に余のウインザーの御料林において犯された,あるいはなされたあらゆる犯罪.そしてまた近親相姦,教会財産毀損,聖物売買に関するあらゆる犯罪も除外し,またあらゆる侮辱罪およびいずれかの衡平法裁判所において,もしくはそれより生ずる同罪についての審理も除外する.そしてまたあらゆる誓約,条件,約款,およびなんらかの官職,約款,条件に反した,もしくは履行しなかったことを理由としてのあらゆる刑罰,肩書き,そして官職,条件,約款の没収とその余もしくは余の亡き兄への移行は除外する.また除外されるものとして,徴税,支払い,あるいは歳入もしくはその一部または余のものたるもしくは余のものたるべき金銭,または余もしくは兄の名において受領した金銭の報告において余もしくは余の亡き兄を欺いた隠匿,******,汚職,不正,犯罪,そしてそれより生ずるあらゆる没収,刑罰,Nomine P***es.そしてあらゆる告発,起訴その他の現在係争中もしくはそれについて開始される予定の訴訟手続きや審理.
この余の大赦に含まれるいずれのくだりも,なんらの罰金や審判によって回復された金銭,有免許供出〔?〕の罰金,追徴罰金,失われ,課され,評価され,いずれかの記録裁判所に保管・登録された係争もしくは特別罰金を免除するまでに広げたり,解釈されたりすることはないということを,常に前提とする.また,なんらかの処罰,刑罰,欠格について余の亡き兄王の治世に制定された自由にして一般的な大赦,免責,放免の各法で除外された人物はすべて除外するものとする.また,あらゆる種類の反逆もしくは反逆の隠匿の,もしくはそのための有罪判決もしくは私権剥奪ののちに流罪となったすべての者,そして他の顕著な犯罪もしくは重罪で告発され,余の海外拓殖地のいずれかに移送されるよう命令もしくは指示が下っている者についても除外する.また,余の裁きから海外もしくはこの王国外の地に逃れるすべての逃亡者および人々で,来たる一月一日までに帰国して余の首席裁判官もしくはいずれかの治安判事のもとに出頭しない者も除外する.そしてまたこの余の大赦からは以下に個別に記す人物たちを除外する.すなわち,ロバート・パーソンズ,エドワード・マシューズ,サミュエル・ヴェンナー,アンドルー,フレッチャー,ジョン・ラムジー大佐,ジョン・マンリー少佐,アイザック・マンリー,フランシス・チャールトン郷士,ジョン・ワイルドマン郷士,タイタス・オーツ,ロバート・ファーガソン,ギルバート・バーネット,サー・ロバート・ペイトン,ローレンス・ブラッドン,サミュエル・ジョンソン書記,トマス・ティッピング郷士,サー・ローランド・グウィン.また,なんらかの原告の訴えによる法益剥奪の訴訟手続きは,被告が出頭し,法により保釈金が必要な場合には保釈金を納め,法益剥奪の訴えを起こした当事者に対して告知令状を届けるのでない限り,この余の大赦の効力によって延期されたり無効とされたりすることはないものとする.また,判決後の法益剥奪については,法益剥奪を訴え出た人物への償いもしくはその人物との間の合意がなされるまで,この余の大赦によって免除されるものとしてはならない.そして,このたびのこの大赦によって上述した赦免・免責が意図されているすべての起訴案件がそれぞれ赦免・免責されることが余の意思であり,喜びであり,その効力と有効性は,余が国璽を捺した開封勅許状によって余の臣民各人に個別の赦免を認めた場合と同様とする.そしてここに述べた余の慈悲深い意図と望みをより明白にするため,余はここに,上記で除外されていない余の臣民すべてに,本条の趣意に従って余の個別の恩赦を求め,それを取得することを認めるものである.そしてその目的のため,余は国務大臣たちに余が署名すべき令状を上程するよう指示し,法務総裁もしくは法務次長には希望する者のための恩赦を通過させる法案を起草するよう命ずるであろう.その証として,余はこれらの余の書状を特許状とするようはからった.余自身を証人としてウエストミンスターにて.余の治世第四年,十月二日.
書記官


裏面は手元にコピーがなく省略.

(C) 2004.6. 友清理士; 訳文の最終修正日2004.6.6
革命の世紀のイギリス〜イギリス革命からスペイン継承戦争へ〜   歴史文書邦訳プロジェクト   

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