『ロンドン・ガゼット』でたどる名誉革命


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見どころ:このところの事態の切迫で,冒頭で国王が国民に向け布告・宣言を発するのが恒例になっている.今回は「オレンジ公の宣言」に反駁するジェームズ二世の対抗宣言.(ちなみに,この宣言は Parliamentary History でも紹介されているが,一人称(we ― 余)ではなく三人称(he)の引用として紹介されている.)

2397号

ロンドン・ガゼット


政府当局により発行

1688年11月5日月曜日‐11月8日木曜日

国王による
宣言

国王ジェームズ
オレンジ公による余の諸王国の侵略は,かくも余に近い血縁の人物としては実にキリスト教徒らしからずまた実に不自然な企てであり,余は戦慄なくして考えることができない.したがって,外国人と反逆者の軍勢が間違いなく余の民にもたらすであろうあまたの災いと不幸をおもんみることは余にとって何にも増して重大な問題であり,関心事である.公によって発表された先ごろの宣言からも,その宣言が述べ立てる多くのまことしやかでもっともらしい理由づけにもかかわらず,根底にある企みは余の王冠,国王としての権威を絶対的に簒奪すること以外の何物でもないことはあまりに明らかである.そのことは彼がくだんの宣言において君主の自称を用い,この国の聖俗貴顕およびその他のあらゆる身分のすべての人々に,その企みの遂行において彼に従い,助けることを求めていることにもよく現われている.そうしたことはこの王国の主権者の王冠から不可分の大権なのである.そして王冠そのものをじかに手にする以外,いかなることでも満足できないその不埒な野心のさらなる否定し得ない証拠として,公は余の息子であり法廷推定相続人である皇太子の嫡出性に疑いを差しはさんでいる.しかし,神慮により,その誕生においては疑問の余地のない信用のある数多くの証人が立ち会っていた.それはあたかもかくもよこしまで前代未聞の企みをくじくことが天の格別の配慮があったかのごとくである.
そして野心的な計画を実施するため,公はその宣言の末尾において,いっさいを自由な議会の決定にゆだねることを望んでいるかに見える.それによって余の民に取り入らんがためである.しかしながら,余の王国の中心部に外国の軍隊がいる限り議会が自由であるはずはなく,実際においては公こそがそのような自由な議会の唯一の妨害者であることは何よりも明らかなことである.余はすでに宣言したごとく,神の恵みによりこの王国がこのたびの侵攻から解放され次第,議会を招集することを完全に決意している.余はすでにすべての特権都市および都市自治体を古来からの権利と既得権益に復させているのであるから,その議会はもはや自由に選ばれたのではないという異議を少したりとも受けるはずがない.その議会においては,余は余の善良なる臣民からのもっともな不満と苦情のいっさいを受理し,改善するのみならず,余の決意の度重なる宣言によってすでに明らかにしているように,神の恵みによって,臣民の宗教,自由,財産,その他すべての正当な権利および既得権益を維持する保証を繰り返し,確認するものである.そのような考慮,そして義務と自然な服従心の命ずるところに基づき,

忠実にして愛国心ある臣民が,かくも不忠かつ有害なしかたで余の諸王国を侵略し,その平和と平穏を乱す余の敵と謀反せる家臣とを抑え,はね返すべく,すぐにも余に心から同意し,味方するであろうことをいささかなりとも疑わないものである.

余のホワイトホールの宮廷にて.一六八八年,余の治世第四年,十一月六日.

国王陛下によって任命された来年の州長官の一覧.
バークシア ビンフィールドのロバート・リー郷士
ベッドフォード ラルフ・ブロムセル郷士
バッキンガムシア ミセンデンのウイリアム・フリートウィード郷士
カンバーランド エドワード・スタンリー郷士
ケンブリッジおよびハンティントン サー・ロバート・バーナード弁護士
チェスター サー・トマス・グロスヴナー弁護士
コーンウォール サー・ジョン・カルー弁護士
デヴォン トマス・ドルー郷士
ドーセット サー・ナト・ナッパー弁護士
ダービー マーク・イートンの……マンデー郷士
エセックス サー・トマス・ミドルトン
グロスター ジョン・チェンバレン郷士
ハートフォード アッシュウェルのウイリアム・ハチンソン郷士
ヘレフォード ウイリアム・マシューズ郷士
ケント サー・ロバート・フィルマー弁護士
ランカスター ……
レスター ジョージ・アシュビー郷士
リンカンシア サー・ジョン・ブラウンロー弁護士
モンマス トレデガーのトマス・モーガン郷士
ノーサンバランド サー・ウイリアム・ブラケット弁護士
ノーサンプトン ……
ノーフォーク ジョン・ハーン郷士
ノッティンガム ジョン・ダンド郷士
オクソン サー・ウイリアム・グリン弁護士
ラトランド ローレンス・ピーチ郷士
サロップ〔シュロプシア〕 ジョナサン・ラングリー郷士
サマセット サー・ジョン・スミス弁護士
スタフォード トマス・フォーク郷士
サフォーク エドワード・シェパード郷士
サウサンプトン エドワード・フレミング郷士
サリー シギスモンド・スタイドルフ郷士
サセックス ピーター・ゴット郷士
ウォリック サー・ウイリアム・バウトン弁護士
ウスター ウイリアム・ガウアー郷士
ウィルトシア サー・ウイリアム・ピンセント弁護士
ヨーク ノートン・コニアーズのサー・リチャード・グラハム


フランクフルト,11月7日.当市には現在三〇〇〇の守備兵がいる.さらに一五〇〇が到着予定.ザクセン選帝侯,ハノーヴァー公も軍勢とともにこちらに向かいつつあるとのこと.




(C) 2004.6. 友清理士; 訳文の最終修正日2003.10.2
革命の世紀のイギリス〜イギリス革命からスペイン継承戦争へ〜   歴史文書邦訳プロジェクト   

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