オレンジ公への招請状:Invitation to the Prince of Orange |
1688年春,ジェームズ二世のカトリック傾倒に危機感を覚えたイングランド貴顕がジェームズの甥であり娘婿であるオレンジ公ウイリアムに助力を求めて接触したところ,ウイリアムはイングランドのしかるべき立場の人からの要請があることをイングランド遠征に乗り出す条件とした.それに応えて六月,イングランド貴顕七名が連名でオレンジ公にイングランドへの武装しての来寇を要請した. なお,署名も含めて人名に暗号数字が使われているので注意. |
殿下のご意向を35〔ラッセル〕,そしてその後ザイレステイン氏より承りました.両名によると殿下が我々に進んでご助力くださる用意があるよし,欣快に堪えません.目下の情勢では,事態は日を追うごとに現在より悪化するばかりで,身を守ることは難しくなる一方であることは明白であります.それゆえ,我々が自ら解放に尽くすことができるうちに改善を見出す幸に与ることを切に願っております.しかし,こうした願いは抱きつつも,この件につき殿下ご自身の判断を迷わすような期待をさせることは決していたしません.そのために我々にできる最善の助言は,現時点におけるこの地での情勢と考えられる困難の両方を真実の形で殿下にお知らせすることであります. |