ボズワースの戦いで敗死したリチャード三世の遺体は裸にしてさらされたのちレスターのグレイフライアーズ修道院に葬られた．修道院はヘンリー８世による修道院解散の際に取り壊され，「グレイフライアーズ」という名の通りは今でも残っているものの，正確な埋葬地は長年不明だった．修道院が取り壊された際にリチャード三世の遺体は川に投げ込まれたとの説もあったほどだった．
2011年からリチャード三世の埋葬地を特定して遺体をさがすプロジェクトが立ち上げられた．記録の調査から修道院の位置が特定され，駐車場となっていた場所から発掘を進めていくと徐々に修道院の遺構がみつかり．考古学者の目には修道院のどの部分なのかがわかるようになった．いくつかの遺骨がみつかったが，その中にはリチャード三世が埋葬されたとされる内陣と思われる部分のものもあった．発見場所・背骨の側湾という身体的特徴・頭骨の損傷などからリチャード三世のものである可能性が考えられた．
折りしも2005年に別の研究によってリチャード三世の姉アン・オブ・ヨークの女系の子孫が発見されており，その息子からサンプルの提供を得てミトコンドリアDNA（普通の遺伝子のように父母のDNAが混合することなく，母から娘へと完全な形で遺伝する）も調べられた．
さまざまな調査の結果，2013年2月4日，レスター大学は遺骨はリチャード三世のものとの調査結果を発表した．